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劇中で私はピアノを弾かせていただいている。
ピアノという楽器は一日弾かないと三日分、下手になる。
一日弾かないだけで、薬指と小指の筋力が明らかに衰えているのが分かる。
しかし、なかなか仕込みなどで本番前の日程にピアノを弾くのはとても難しい。
ピアニストの人というのは人によると思うが、当然一日3時間以上は弾いている。
今回は、そのピアニストの人並のレベルを要求されている。
大体、ピアノに触るのは何年ぶりだろうか・・・
(「アンダンテ」のときは少し触ったが・・・)
一日3分の稽古時間を作るのも大変だというのに。
しかも、芝居の稽古中は芝居の中を作るのが先なので音に対する要求はどうしても後回しになる。
本番前、もしくは本番中に突然要求が増えて、四苦八苦だ。
大事な場面に弾くのは、吐きそうなくらいのプレッシャーだ。
最初は指の赴くままに弾いていたが、日ごとピアノというのはこんなに難しい楽器だったのかと認識が新たになる。
ピアノは技術を持っている人は星の数ほどいる。
しかし、心で弾ける人はどれほどいるのだろうか。
自分の技術のなさにめげることなく、上演が終わったらもう一度勉強をやり直そう。
しかし、あと一日、一公演。
明日もおいしいパスタが作れますように。