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昨日は劇場である川崎ファクトリーに泊まった。
夜中に一人で、24時間開いているお店へ劇中食料の買出しへ。
川崎の星はきれいだった。
あまりにも美しくあまりにも哀しい。
今だけは芝居のことを忘れよう。
何か心が浮き立つことを考えるのだ。
星空を見ながら劇場までの帰途につく。
衣装の直しを縫ったりはずしたり縫ったりはずしたり・・・もちゃもちゃやっていたら、夜明けになる。
いつの間にか寝てしまい、研究生の来る時間にようやく起こされる。
今日は研究生の西条さんと姉さんと一緒に夜更けにバスで家に帰る。
西条さんと姉さんは洗濯班で、手が漂白剤で荒れてぼろぼろになっている。
私は食料班で食紅で手が真っ赤だ。
みんなもうぼろぼろだね、と笑いあう。
バス停で「あんぱんの残りがあるよ」と立ち食い。
今日はじめてのまともな食事。
なんという食生活、なんという生活。
すべてが芝居の勉強という。
しかし、作業が多すぎてみんなのノート(演出家の駄目だし)も聞けない。
本番の舞台は私はまだ裏で声が聞こえる。
受付の勝木さんは、扉の向こうの劇場で何が起こっているかまったく分らないと言う。
自分のやっていることがどういう形になっているのかわからないのは歯がゆいことだ。
決して交通の便がいいとはいえない川崎ファクトリーまでおこしいただき「面白かったよ」とお客様に言っていただいてようやく報われる。
オープニング登場人物がろうそくを持って入ってくる。
舞台を回り、ろうそくを舞台に置く。
そして、戦死したタイタスの息子として舞台に横たわる。
ろうそくの厳かな明かり。
この静寂の場面が荘厳で素晴らしい。
それにしても、楽屋裏でタイタスの息子たちが「今日もがんばって死ぬぞ」と言っていたのが面白かった。
序盤に父親に殺されるミューシャス、穴におちて殺人の嫌疑をかけられて死刑になるマーシャスとクインタス。
彼らの死にっぷりにもご注目ください。
明日、あさってで終わりです。
お見逃しないよう。