ブログをお休みしてすみません。
 今週は稽古場に泊り込んだりすることが多かったので、申し訳ないです。
 

 昨夜は明け方の5時まで「タイタス」出演者とあれやこれや語り合っていました。 
 なごやかに語り合っていましたとも。
 もっとしっかりやれと檄を飛ばされる一幕もありましたが。
 
 そして、今日は朝の9時から大掛かりなある道具を作っていました。
 私も慣れない電動工具を扱っておりました。 
 結構、楽しくなってきて・・・あ・・・
 いやあ、しかし、劇場で道具を作ることができてそのまま使えるのは幸せなことですね。
 おかげで、かつてないようなすごいのが出てきますよ。


 先日、フェリーニ監督の「サテリコン」という映画をビデオで観ました。
 紀元前の古代ローマが舞台らしいですが、なんとも変な世界。
 美しい青年が出てきて、シェイクスピアばりにいきなり長台詞を語ります。
 何でも、自分の親友が恋人(少年)を奪ったとか。
 同性愛なんですが、主人公も親友も少年も美しく・・・ああ・・・
 特に話らしい話はなく様々なエピソードの積み重ねでなりたっています。
 白塗りの人々(貴族?)が不気味な食物を食べ続けていたり・・・と退廃的な欲望あふれる世界です。
 手首を切る場面、人肉をもくもくと食べ続ける人々など「タイタス・アンドロニカス」の世界観と非常に共通するものを感じます。

 
 特に印象に残っているのが未亡人のエピソード。
 夫を亡くし食事もとらず死体のそばで泣き続けている未亡人。
 近くで、絞首刑になった死体を見張っている役人が彼女と恋に落ちる。
 しかし、未亡人と会っている間、死体が盗まれてしまう。
 このままだと役人は死刑になってしまう。
 未亡人は提案する、「あなたを失うくらいなら夫を吊るすほうがまし」
 このエピソードに大笑いする人々が出てきます。
 なんともいえないが、大笑いする気持ちもなんだかわかる。 
 この人々の「笑い」がまた気持ち悪い。
 全体的にも「気持ち悪さ」を求めているかの映像が連続。
 それがまたなんとも快感だったり・・・
 
 
 実は今回の「タイタス・アンドロニカス」、一部をのぞきキャストは完全決定ではないのです。
 無論、大体は決まっていますが、大きな役を別のキャストが勝ち取ったりなんてこともあります。
 こんな熾烈な争いの中から生まれた「タイタス・アンドロニカス」
 仕上がりにご期待ください。