いつかゴールにたどりつく日まで
http://d.hatena.ne.jp/satokohino/20090302
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20090302/p1
そうなんです。彩乃木さん、日野さんの日記にあるように、またまたハーフマラソンを走りました。
しかし、今回は厳しかった。
石垣島以来、他のことに夢中になってしまい、あまり練習ができなかったのです。
結果、4キロ太りました。
容赦ない、わかりやすい体です。
ちょっとはさあ・・・さぼってもいいじゃん、というのを許してくれません。
厳しい。
今回のマラソンは今までと比べて小規模な大会でした。
走り出してみると他の人の速いこと速いこと。
後で、募集要項を見ると、応募資格にハーフマラソンを2時間30分で走れる人、と明記してありました。
大体、それくらい余裕で走れる人たちが参加しているのだから速いのは当たり前だったのですが・・・
今までは私と同じくらい、もしくは、もっと遅い集団がかなりの人数でいたので、自分のペースで安心して走れました。
しかし、今回は自分のペースで走っていると「え?最下位?」と思うくらいの速さでした。
すっかりあおられてしまい、普段の自分のペースよりも無理をして周りに合わせて早く走ってしまいました。
おかげで、無理が後に来てしまい、どんどん遅くなっていきました。
しかも、給水ポイントも2箇所しかなく、最初の箇所では、コップが足りず、給水できなかった・・・
これも痛かった・・・
ああ・・・自分でもっと準備しておくべきでした。
準備も結構、今回はばたばたでした。
当日の朝、部屋の中をくるくるただ回ってるだけだったし・・・
10キロの段階で、どう計算しても制限時間には間に合わないことが分ってしまいました。
そこからが本当にきつかった。
もう、どうせ間に合わないならやめたい、と思う自分の悪魔の心との戦いでした。
もはや、他のランナーの姿がまったく見えません。
とにかく奇跡的にでも間に合わないかと、ペースを乱して何度もダッシュしてみたりするのですが、当然、あっという間に燃料切れになります。
最後はあまりにも苦しくて、泣きながら走りました。
歩きたいよお・・・と泣きました。
石垣島のフルマラソンで感じた、ランナーズハイのような気持ちのよい感情も訪れませんでした。
制限時間の約10分遅れのゴール。
これは前のハーフマラソンの記録よりも遅いです。
これがフルマラソンを完走した人の走りでしょうか・・・
スポーツ万能の大先輩、戸谷さん(次のASC公演「ヴェニスの商人」出演)に「どんなに遅くても自分のペースを守ることが大事。どれだけ抜かれても、(自分のペースを守って)後で追い抜いてやる、という気持ちでいないと駄目」と言われました。
その言葉を聞いて、なんだか自分の人生のようだと思いました。
私は何をやるのも人よりも遅いです。
どんなことにも人の倍以上の時間がかかってしまいます。
何かを暗記すること(踊りとか踊りとか)、何か作業をすること、アルバイトの仕事を覚えることなど・・・
物心ついたころからコンプレックスに感じ、周囲からも疎まれ、卑屈になっていました。
芝居の勉強も、同期にはどんどんおいていかれて、また、後からはじめた若い人にもどんどん追い越され・・・もう、嫌になるくらいの多くの人に追い越されていきました。
今回のマラソンのように、私が全力で周囲にあわせようとしても全然追いつきません。
私の全速力なんて普通の人からすれば、遅くて遅くて笑っちゃうくらいのスピードです。
結果、迷いに迷いコースアウトばかりしています。
しかし、マラソンの場合、コースアウトしたり迷ったりすることは、よほどでない限り、ありません。
だから、今回の場合、もしかして、途中で歩けば・・・途中で休めば制限時間には間に合ったかも・・・
明らかに、途中で歩いた人に追い抜かれたし・・・
なんて思ったりもしました。
それで、戸谷さんに、「途中で歩いて少し休めば、もう少し早くゴールできたでしょうか」、と聞くと「自分で絶対歩かないと決めたら、走り続けるのが本当のゴール。俺はマラソン出たけど途中で歩いた、なんてやつの話は、絶対聞かない」と言われました。
その言葉に大いに勇気づけられました。
そう、自分の決めたゴールに向かって走り続けなければ。
どんなに遅くても決してあせらず、周囲と比較したりせず、走り続けよう。
そうすれば、本当のゴールに必ずたどりつくことができる。
今回のマラソンは、制限時間には間に合わなかったけれども得るところが大きかったです。
それにしても、まだハーフ、フル、ハーフとマラソンは3回目なのに、もう「完走」が当たり前になっているのが怖いです。
最初のハーフでの完走はあれほど感動されたのに・・・今回は・・・
今回の日野さんの2時間切り、彩乃木さんの執念のゴール、感動的でした。
日野さんは寒い中、40分も笑顔で待っていてくれました。
ハーフマラソンの次の日が「ヴェニスの商人」の顔合わせ。
全然、休んでないんですけど・・・
大体前の日もマラソン終わった後、稽古場の前準備に奔走してたし・・・
何?このスケジュール・・・
そんなに疲れてない自分が怖い。
今回の出演者、スタッフ、多くの方々に石垣島のフルマラソン、完走のお祝いの言葉をいただきました。
ありがとうございます。
今回の稽古は壮絶に楽しいのですが、それはまた次回。
おやすみなさい。