花を咲かせるまで

 「恭しき娼婦」の稽古場で。
 
「自分の言葉(台詞)で相手がどう反応するのか、それをただ見ていればいい」
 毎回、彩乃木さんが稽古中の出演者に言われることですが、それは本当に難しいことです。
 どうしても、「こう考えて台詞を言いたい」などということにとらわれ、自分の中に入っていってしまい相手が見られなくなります。
 
 しかし、互いが相手役を見て、その交流で、「言葉」が、「行動」が、生まれていく瞬間が稽古中に増えていくのを見ているとわくわくします。
 
 本番まで一週間を切りましたが、今でも一言一言にこだわって、行動のひとつひとつにこだわって稽古が行われています。

 
 花がいつの間にか咲いているように、じっくりと進んでいる稽古もいつの間にか大きな花を咲かせようとしています。
 確実に出演者が成長しているのが手に取るように分ります。
 
 
 本番まであと少し。
 花を咲かせるまであと少しです。