今日は劇団の研究センターのレッスン。
 午前中は菊地先生、
 毎度のことだが、日常をいかに演劇的に過ごすか、ということを話し合う。

 肉体的なレッスンもさることながら、本を読む、芝居を観る、散歩をすることだってその気になれば全部芝居につながる。

 日常は忙しい。
 取り囲む環境が芸術的なものばかりではない。
 忙しくなくても、家にいればつい延々寝てしまったり、観たくないテレビを延々観てしまったりする。
 菊地先生はそんな日は、まず図書館に行くそう。
 
 何か自分で「やろう」と決めないと、日常にながされたり怠惰に過ごしてしまったり。
 ピアニストは何時間もピアノを弾いて技術を磨く。
 ピアノは目に見えて稽古すればするほどうまくなるのがよく分かる。


 役者の場合、技術を磨くという行為がなかなか目に見えて分りにくい部分がある。
 成長の度合いも分りにくい。
 それでも、自分の心がけ次第。
 地道な努力で想像もつかないくらい高いところに行くことも可能だ。
 
 訓練、訓練。


 午後は彩乃木先生のレッスン。
 前日、シェイクスピアの台詞から好きな台詞を稽古してくること、との楽しい宿題が出る。
 意外に思われるかもしれないが、公演中をのぞいて台詞をレッスンするのはあまりない。
 もっと基礎的な体操や発声、たまにシアターゲームなどが主なレッスンだ。
 基礎レッスンは大事だ。
 ピアノでいうなら「ハノン」
 様々な音階、リズムで繰り返し弾く。
 それを毎日一時間くらいやると断然指の力がつき、曲を弾くときに音が変わってくる。
 しかし、本当は曲を弾きたい!
 台詞を言いたい!
 ちょっとその宿題に狂喜乱舞してしまった。
 
 
 「好きな台詞を持ってくる」
 どの台詞にしようかな、と考える時間の楽しいこと。
 やりたい役、読んでみたい台詞はたくさんある。
 シェイクスピアの台詞は宝石のよう。
 

 結局「ジュリアス・シーザー」のポーシャに。
 「テンションが低い」と言われ、見本を見せてもらう。
 その瞬間、自分の中に今までなかった力と発見が生まれ、確実に違うものが生まれた。
 家や稽古場で一人で悶々としているときには、思いつかなかった発想が学べるとき、レッスンは本当に楽しい。
 現金なもので、台詞を言うのが楽しくなると、また早く公演がしたいなあと思う。
 こりないものだ。
 公演まで好きな台詞をたくさん覚えようと思う。

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 今、読んでいる本「夜は短し歩けよ乙女」(森見登見彦 作)に「本を読んでいる姿が魅力的なのは、その本に惚れこんでいるからに違いない。恋する乙女は美しいという」との1節が出てくる。
 どんな人でも好きなことをやっている姿は美しい。
 ということは、好きなものに惚れこむ時間を増やせばどんどん魅力的になるのではないか。 
 なかなか殿方相手だとままならぬことが多く、美しくなる時間ほんのひと時。
 あっという間にやさぐれてしまう。
 しかし、本は裏切らない。
 とことん、本に惚れこもう。


 この冬一番の買い物はIHヒーターです。
 こたつに一人鍋としゃれこもう。
 寒い冬も楽しく過ごせそうです。