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今日は、主人公タイタスの二人の息子がアーロンの姦計にはまり、穴に落ちる場面の稽古。
二人は皇帝の弟殺しの嫌疑をかけられ、死刑になる。
最初に読んだとき「穴」ってそんな、リアリティないよ・・・と思ったが、「穴」自体が実は女性器を暗示しているという。
「茨がやたらに生い茂ってその口をふさいでいる。穴の入り口にはいましたたり落ちたような鮮やかな血のしずくがある」
しかも「血」という言葉で乱暴された女性器が表現されている。
すなわち、前の場面で二人の兄弟に強姦のために連れて行かれたタイタスの娘、ラヴィニアの状態をイメージしている。
さて、その穴は何もない舞台にどのように表現されるのか。
稽古の成果をお楽しみに。
「タイタス・アンドロニカス」は性的な表現が多い。
半裸の男性出演者が稽古場をうろうろしている。
「次は、レイプの前から」
などという会話が普通になっている。
少々、正常な感覚が麻痺してきているかもしれない。
このように、人間の根源的な欲望表現に挑戦している。
今日は稽古の後、ある物を投げてガラスにぶつける実験をする。
破裂して飛び散る可能性があるため、新聞紙を敷いたり、ダンボールを用意したりビニール幕をはったりかなり大掛かりな実験になった。
出演者7、8人でわらわらと準備をしてなんだか小学校の理科の実験のよう。
実験は成功とはいえなかった。
じゃあ、あれを投げてみたら、これならどうだ、とみんなで提案。
実験はまた後日行われる。
客観的に見たら大人が集まって何をやっているのだと思われるような作業・・・
こういうことをいろいろ考えるのが芝居っていいなあ、と思う。