これで限界か?

 昨日、「タイタス・アンドロニカス」の稽古後の飲み会で劇団AUNの客演のある方が言った。
「(台本読み合わせのとき)このテンションで言いたい、でも言えない。それでも、今日は限界まで挑戦してみようと思った」

 
 常々、問いかけることだが、本当に自分は全力でやっているだろうか。
 今ので限界?
 本当に?


 今日は「タイタス〜」のプレリハ。
 いつもの研究生メンバーだけの稽古だった。

 昨日、自分の目の前で本当に「限界」に挑戦している人を見た。
 自分が今までやっていることはまだ「限界」よりほど遠いと思い知らされた。
 何か忸怩たるものが心の中にあった。


 今日こそ、今こそやってみよう。
 幸いにも、ある役の代役をやることになった。
 今の自分のできる限りのことに挑戦した。
 限界に。
 途中、声がひっくりかえった。


 なんかものすごく楽しかった。
 結構、残酷なひどい場面だが、なんだろう・・・
 終わった後の爽快感。
 もう、このテンションを絶対忘れない。


 こういう刺激を受けられるから客演の人とやるのは面白い。
 どこか、仲良く無難にやろうとしていた。
 でも、そうじゃない。
 稽古場は戦場だ。
 もっと戦っていきたい。
 戦ってそのうえで認め合えたら素晴らしい。


 今日、初めて上演会場の川崎ファクトリーに行った。
 中に入るといきなりアーティスティックな書が描かれたパネルが、でええん!と床に鎮座していてカルチャーショックを受けた。
 ちょうど「書」の作品の製作中だったよう。
 実に芸術的な空間だ。
 その横にダンボールの上に何か黒く塗られたものもあり、それも「ブラッグ・エッグ」という作品だそうだ。
 何でも芸術になる。
 

 
 みゆき館よりは多少不便で、何もないかもしれません。
 芸術しかないんです。
 でも、そこに芸術があるんです。
 わくわくするような芸術空間をこれから作っていけるんです。 
 「タイタス・アンドロニカス」、お楽しみに。