笑いの覚悟

 今日、「AGE AGEプロジェクト」なる吉本興業のお笑いライブを観にいく。
 これは、人気投票によって若手芸人が大きなイベントに出るべく這い上がっていくシステムになっており、今日観にいったのは最も底辺の組。
 バイト仲間の女の子がこれに出演するとのことで、観にいった。
 底辺の組には300組以上所属しており本日出演したのはそのうちの32組。
 それぞれ1分づつネタ披露を行い、観客はあらかじめ配られたアンケート用紙に面白かった人には「○」、面白くなかった人には「×」をつける。
 一位の得票数を取ったチームのみが次の段階に行ける。
 たとえ上に上がってもまた、面白くなければ降格もあり油断できない。


 もっとも底辺の組(しかも入場料500円!)と聞いていて、どんなものかと思っていたがさすがはプロ。
 なかなか楽しめるものだった。 
 自分で採点できるというシステムも真剣に見ようと気にさせられて良かった。
 80人くらい入る会場は満員御礼で熱気と興奮に包まれていた。

 
 司会の「セブンbyセブン」という男性二人組の漫才コンビは初めて知ったがとても好感が持てた。
 MCの間に本当にごくさりげなく時事ネタなども入れて、すごいなあと思って聞いていた。
 テレビで観ていると当たり前のように思えるような話術の巧みさも、生で観るとなかなか感動的だった。

 
 しかし、32組中一位を取らないと上にいけないという厳しいシステム。
 ごていねいにインターネットで一位から最後まで点数が公表される。
 これほどはっきり自分のレベルが分かるものはない。
 芸術は必ずしも一位がいいとは限らないもので、コンクールなどがあるにしても演劇にしろ音楽にしろどこか曖昧なものがある。
 しかし、この場合「笑い」の基準はただひとつ。
 面白いか面白くないか、それだけだ。
 しかし、一生懸命がんばっても面白くない。
 どこか力の抜けたところに笑いがある。
 そこが難しい・・
 どんなに受けてなくてもクールに自分のネタを続けなければならない。
 精神力も大変なものだ。
 よくやっているなあ、とかなり優しい審査員になって観ていた。

 
 どんな時代にも「笑い」は必ず必要とされる。
 こういうイベントはどれだけの覚悟を持ってこういう仕事を選んだかが、試される。
 
 無論、自分も同じだ。