6〜7人のアンダンテ

 「5〜6人のロミオとジュリエット」という芝居を観る。
 なんだか人を食ったような題名だ。
 作者も「2〜3人」という人。

 今度、自主公演「アンダンテ」をやる劇場、がざびいで行われた。

 
 ところは、田舎町のお見合いパーティーの後の会場。
 カップルになれずに残念だった人々が5〜6人集まっている。
 なぜかその人々が数時間後に「ロミオとジュリエット」を上演する羽目になってしまった。
 東京で芝居をやっていたという一人の女性がはりきって彼らを指導する。
 しかし、別に芝居をやりたくて集まったわけでない彼らはもちろん一筋縄ではいかない。


 「おたく」で部屋の隅にこもって漫画を描いている男がロミオをやることになったからさあ、大変。
 あるきっかけで、彼はものすごくはりきって芝居をするようになるが、最後まで人と目を合わせないように芝居をしているのがなんだかリアル。
 
 
 経験者の女性が互いの距離を縮めるために「ニックネームで呼び合おう」と提案したり、「笑いなさい」などとワークショップ的なことを指導する場面が面白い。
 こんなことやっていたんだ・・・と冷静に客観的に見ると・・・なんだかなあ・・・
 しかし、個性豊かな登場人物もそれぞれリアルでなかなか考えさせられる内容で楽しめた。
 

 「芝居をやってみよう」という筋立ての芝居はあらためて自分がなぜ芝居をやっているのか考えさせられる。
 こういう話の内容の登場人物は途中、「もうやめよう」というようなすったもんだはあるが、必ず最後には皆芝居の魅力に引き寄せられ生き生きとし始める。
 そして、人間的にも大きな成長を遂げる。
 果たして自分は成長しているのだろうか。
 など考えてしまうのだが。