しなやかに世の中を渡る
- 作者: 渡辺由佳
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2006/11/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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むしろ、得意だという人のほうが少ないのではないか。
外国人が日本語を覚えるにおいて一番苦しむのは敬語だという話を聞いたことがある。
何しろ今、敬語は5つに分類されているという。
確か、私が学生時代に習ったときは3つだった。
増えてる!
尊敬語、謙譲語1、謙譲語2、丁寧語、美化語に分かれるという。
詳しくは本書参考。
考えるだけで頭が混乱しそうだ。
しかし、この日本社会を渡っていくうえで敬語は必須だ。
敬語が使えないとあらゆる場所で常識のない人だと思われ、損をする。
逆にしっかり使えれば「できるやつ」と思われること間違いなしだ。
本書によれば、ビジネス社会においてもっとも難しいのは「苦情の言い方」だと言う。
驚いた。
自分に落ち度がある場合以上に気をつけなければならないのだ。
本書にはこう記してある。
「相手に落ち度があると、つい腹を立てたり、勝ち誇ったかのように責め立てる人もいます。しかし、いつ、どこで、誰に助けられるかわからないビジネス世界では、相手との関係を気まずいものにしてしまうのは、得策ではありません。苦情を口にするときころ、細心の注意が必要です」
「日本語には苦情を言う際にも相手を大きく傷つけないですむようなやわらかい表現がたくさんあります」
たとえば、
「「やめてください」を「ご協力をお願いします」に言い換える。これぞ、日本語の奥の深さです」
「人の深層心理に働きかけるようなマジックワードを自分のボキャブラリーの中にたくさん持っていれば、しなやかに世の中を渡っていけるでしょう」
「やわらかい表現」というものをたくさん覚えたい。
そして、使わないほうがいい言葉。
「でも」「だって」「どうせ」「ですが」の4Dの言葉。
これを「いかがいたしましょう?」におきかえるだけで印象が変わってくる。
たとえば
「でも、先日のお話と違いませんか?」
を
「先日は○○と承っておりましたが、いかがいたしましょう?」
と言い換えるだけで、この印象の違い!
他にも「人の深層心理に訴えかけるマジックワード」が本書にはたくさん出ている。
言葉を扱う仕事を目指す者として、美しい日本語をたくさん知るのは当然のことだ。
しっかり勉強したい。
著者の渡辺由佳さんはアナウンサーとして活躍し、今は「話し方講座」の講師として活動されている方だ。
アナウンサーとして美しい日本語を伝えるということを真剣に取り組んでこられたのだろう。
自分もそのようにありたい。