湧き上がる闘志  「ジュリアス・シーザー」稽古初日

 ・稽古場日誌

 今日からいよいよ「ジュリアス・シーザー」の稽古がはじまる。
 この日を無事に迎えられたことに、まず感謝したい。

 いよいよ、客演の方もほぼ揃い本格的な稽古だ!

 スタッフの方々もいらっしゃる。
 まだ、動きをつけずに机を並べて台詞の読み合わせをする。
 今日初めて顔を合わす方もいる。
 しかし、「良い芝居を作りたい」という思いは一緒だ。
 
 「ジュリアス・シーザー」を作りたいという熱意が、今ひとつに集まった。
 白熱する本読み。
 そして、その後行われた親睦会、それぞれの芝居に対する情熱を互いに話す。
 
 素晴らしい作品ができそうな予感。


 ・個人日記

 今日からいよいよ、本格的な稽古が始まるということで朝から緊張ひとしきり。
 なにしろ、初舞台。
 なにやらいっぱい持っていかないと不安で不安でカバンがやたら重くなる。
 結局、開かなかったなあ、アクセント辞典・・・

 
 稽古場でも、あまりの緊張感漂う空気に呑まれそうになる。
 呼吸ができないくらいの緊張。
 大丈夫、きちんと準備したのだからと自分を落ち着かせつつも、体が硬直している。
 
 休憩時間は、到底その場にいられなくなり給湯室で息を吐く。
 なんでこんなに緊張するのだろう。



 台本の読み合わせが始まる。
 私の出番はずっと後なのに、どきどきしている。
 途中、市民の代役をやることになる。
「殺せええ!火をつけろお!」
 などと叫んでいるうちに、ようやく落ち着きを取り戻す。

  
 そして、ようやく自分の役が出る場面。
 メインキャスト二人、キャシアスとブルータスの言い争い。
 私が想像していた以上の白熱した言い争いが始まる。
 二人が仲直りしたところに「争いはやめろ」と言って入ってくる、場違いな詩人というのが今回の私の役柄だ。
 あっという間にブルータスに、本気で怒られて追い出される。


 大失敗だった。

 
 家で考えたとおりにやろうとしすぎた。 
 自分の役が何をしようとしているのか完全に忘れていた。
 ブルータスとキャシアスで、せっかく作り上げられた空気を台無しにしたような気がする。  
  
「今日のは面白くない」
 と、演出家の彩乃木さんに言われる。


 稽古はまだまだ始まったばかり。
 めらめらと闘志が沸いてくるのを感じる。
 

・さらに個人日記
 けんけんが前髪を切ってイメージチェンジして「明るく見えるようになった」と言われているようだ。
 それまでは「ホラー映画」の人のようだと言われていたらしい。
 確かに前髪を切ってとてもかわいくなったように思う。
 イメチェン大成功!
 うらやましい限りだ。

 
 私も、よく「ホラー映画」の主役ができそうだと言われていたことがある。
 私の場合前髪ではなく、いつまでもつれない男に怨念を持ちそうなオーラが見えたらしい。
 お岩さん?
 そんなことない、あっさりしているのに!
 しかし、そう見えるのは大問題!
 誰も近寄れないではないか!

 
 こればっかりは前髪では解決できそうにもない。
 そういえば、最近「やせて見えそう」という理由で黒ばかり着ている。 
 もっと、ハッピーハッピー楽しいな!
 という雰囲気を身につけるたい。
 まず、笑顔と明るい色の服から・・・