ありがとう、ありがとう

 いよいよ明日から「ジュリアス・シーザー」の稽古がはじまる。
 したがって明日より「ジュリアス・シーザー稽古場日記(ジュリエットになりたくて)」と改題したいと思う。
 稽古場の楽しい話題をたくさんお届けし、読んでくださる方が本番が待ちきれなくなる!くらいの日記を書きたいなあ。
 「ジュリアス・シーザー」が少しずつ出来上がっていく過程、そして、私自身が一歩づつ歩いていく様子をレポートできれば・・・

 
 正直言って不安がいっぱいだ。
 初めてプロの方々とお芝居をする。
 準備のため、あれもやらなければ、これもやらなければと毎日思って過ごしてきたが、全て中途半端な・・・
 いや、大丈夫大丈夫。

 
 はりきってたくさん宣伝しまくったので、くじけずちゃんと舞台に立たねば。
 「必ず行くよ」の一言一言のありがたいこと。
 多くの人に支えられて、伸子は幸せ者です。(泣)

 
 私の机の上には一枚の写真が写真立てに入っている。
 初めて養成所の舞台に立ったときの、稽古の様子を撮ったものだ。
 男の人と抱き合っている・・・
 数人が周りでそれを見ている。
 といっても、愛の抱擁ではない。
 複雑な設定なので、詳しい説明は省くが、姉と弟(本当は違う)の感動の再会場面だ。
 

 ものすごいぼけた写真で、よく見ないと何が写っているのか分からない。
 このときは、ちょっとぼけかけた婆さんという役で、私には到底手に負えない難役だった。
 簡単なことも何ひとつできず、随分周囲に迷惑をかけた。
 ただ、この瞬間、本当に真剣に取り組んでいたなあというのが、写真からあふれ出てきている気がする。
 写真を眺めるたびに初心を思い出す。
 
 今度の稽古場でもこういう一枚が、目に見えない形にでも残せたらなあと思う。