再び「役者魂!」不満の冬はようやく去ったよん

 ここのところ、家に帰ってなかったり(何で帰らなかったのかは、な・い・しょ・チュ!)、アルバイト先で包丁で指を切ったり、ブログに書くことが頭の中ではてんこもりになっているのに書けない状態が続いた。
 そんなわけで、今日のブログはとりとめない。

 
 最新のできごとから。
 ドラマの「役者魂!」第2回を見る。
 気難しい日本を代表するシェイクスピア俳優、本能寺が「もっと普通に台詞を言ったら」「言葉が分かりづらい、現代のお客さんでも分かるように」などと言われた場面が面白かった。
 本能寺は、ラッパーになったり、時代劇の格好をしながら「リチャード三世」の様々な可能性を試す!?
 開演数時間前に何やってんだという感じだが・・・
 頑固に見えて実は、言われたことを(しかも、差し入れを届けにきただけの人とかに)すぐ受け入れ、とりあえず試してみることのできる度量の深さが素敵。

 
 結局、本能寺は自らの私生活の苦悩もあいまり、「メーク」も「派手な衣装」も「大仰な台詞回しと振り」も取り去ったなんだか力の抜けた演技をする。
 それが「新境地」「自然な演技」と大絶賛!
 私がやったら「もっとちゃんとやれ」と言われそうだが・・・
 
 
 現代では、それこそ冗談ではなく本当に「時代劇」バージョンやら、いろいろなシェイクスピアがあり、いかに観客に受け入れられるか多くの人が模索している。
 さて、ASCの「ジュリアス・シーザー」は!?
  http://homepage2.nifty.com/asc_web/で、宣伝ページに行けます、チケット予約お待ちしております、とさりげなく宣伝。

 やっぱり、本能寺のマネージャー瞳美が、とおりすがる人を見て、その人の人生を妄想するのが面白い。
 「人生何が起こるかわからない、たとえば・・・」
 落ち込んだり、寂しくなったりするのは、自分の殻に閉じこもって自分がこの世に一人で生きているかのような錯覚に陥るとき・・・
 この人はこうやって生きてきたかも・・・と想像することで、なんだか楽しくなってきそう。
 私もやってみよう。

  
 我らが菊地一浩先生演出の「烏賊ホテル」を観にいく。
 自殺をするたびに男に救われ、そのたびにその男の子供を産んだ女の4人の息子たちの話。
 岡本蛍さん作のこの話はありえないことの連続。
 仮死状態から蘇生するところをお坊さんに襲われて・・・とか。
 なのに、実にリアリティを持って観ることができた。
 母親と過ごしてきた年月は違うが、それぞれ母親の思い出、そして思いがある。
 コメディタッチに描かれながらも、「母親」が各人の生き方にどれほど大きな影響を与えているのかが痛烈に伝わってきて、涙が止まらなくなった。
 それぞれの役者の演技が本当にリアル。
 各人の癖などが随所に繊細に表現されて、今に至るまでどうやって生きてきたかが透けて見えるよう。
 心の中の大切な宝箱に入れておきたくなるような、そんな舞台だった。

 
 日曜日は研究センター。
 菊地先生のレッスンでは「ポーシャとブルータス」「シーザーとキャルパーニア」の台詞を読み、それぞれの愛について思うことを語る。
 「ポーシャ」については「こんなにも男(ブルータス)にかける思いがいい」とか「支える愛がいい」などと男性陣に人気のよう。
 ポーシャは夫ブルータスの心の悩みをすべて受け入れる覚悟を見せるため、自らの太ももを剣で刺す。
 熱い。
 
 私個人としては「支える愛」とか言われると・・・
 なんだかなあ・・・
 現代でも男は、自分に全てをかけてくれるようなそういう女が好きなのだろうか。
 
 いいだろう。
 ならば、男も覚悟を決めよ。 
 男性諸君、自らを傷つけるまでのこの愛の深さをとくと思い知るがよい。
 そして、このポーシャのこの「濃い愛」を、
「この悲しい心臓を訪れる真っ赤な血潮にも劣らぬ、大切なおれのいのちだ。」
 としっかりと受け止めるがよい。
 そして、神々に感謝するのだ。
 覚悟はよいな。