気力不十分

ドラママチ

ドラママチ

 最近、ブログを書くのを怠っていた。反省。


 人間なら誰しも、毎日ご飯がおいしく、さわやかで、出会う人々が全て愛しく、気力のあふれた毎日を送れることを望むだろう。


 しかし、なかなか現実はそうはいかない。
 
 
 ここ数日、やたらリアルな夢を見る日々が続いた。
 最初はアルバイトをしている夢だった。
 メンバーもいつもよく会うメンバーでごく普通に働いているのだ。(カフェ)
 特にトラブルもなく
ブレンド(コーヒー)お願いします」 
「グレープ(ジュース)出します」
 などと言っている。
 
 目を覚ますと、あ、仕事が途中だったと思って再び寝ようとした。
 
 すぐに自分の寝ぼけに気づき、そのまま支度をしてカフェに行った。
 こうなると、寝ているときからずっと働いているようで嫌である。
 
 
 その日から背中がやたら、重い。
 次の日は歌詞を覚えてないのに歌わなければならなかったり、など神経を使うような夢ばかり見る。
 寝ているのに、すごいストレスだ。


 そんなこんなで再び太りだした。
 どうしよう、こんなに太ったらビキニなど夢のまた夢だ・・・

 
 そんなとき「ドラママチ」という本を読んだ。
 以前も書いたことのある角田光代さんの本だ。
 

 中央線沿線を舞台に、さまざまな立場の女たちの「待つ」心理が描かれた連作になっている。

「待つ」といえば、「ソルヴェーグの歌」というのを思い出した。
 うろ覚えだが、確かこういう内容だった。
 若い頃愛した男がどこかに放浪してしまい、帰ってくるのをずっと待っている女の人の歌だ。
 やっと、男が帰ってきたのは、女が白髪にるほど年月が経ったとき。
 女は帰ってきた男の前で死ぬのだ。
 哀れよのう・・・
 
 
 男女平等、フェミニズムの昨今でもやはり女は「待つ」生き物なのだろうか。

 この本の中で一番こたえたのは「ヤルキマチ」という章だ。
 
 「私」はナカニシさんという既婚者とつきあっているが、彼が妻と別れて自分と一緒になってくれるのを待っている。七年間も!
 その間、どんどん気力を失い、もう選ぶのも面倒なので食事はカップラーメンで済ますような生活。
 都合6キロ太り、やたら人を見下したいという願望に襲われる。
 人を見下すときだけ、生き生きとしそれ以外はまったく生気のない生活を送る。
 「私」は「やる気」がおきるのを待っている。


 「待つ」間にあぶりだされていく、人間の本性。
 待っているから出てきたのか、それとももともと備わっていたものなのか。
 なんにせよ「待つ」という行為は、歌のようには美しくない行為なのかもしれない。
 

 それにしても角田光代さんの書く男の人は、なんだそれと思う人ばかりだ。
 ナカニシさんは「私」の友人がウインナ中年と呼ぶような体格の持ち主だ。
 引用すると、
「ナカニシさんは頭がちいさくて、手足が細長くて、体幹部だけ太っている。それが切れてないウインナみたいだとまりっぺは言うのだ」
 ナカニシさんは「妻の体調」や娘を理由に、なかなか離婚してくれない。
 しかし、お風呂場を洗ってくれるし、太ったことには気づかないふりをしてくれる。
 「待たせていること」への謝罪のつもりなのか?

 
 この著者の書く男は「もう、そんな男いいじゃん」と思うような人ばかりだ。 
 そんな本ばかり読んでいたら、少女漫画が読めなくなってしまった。
 ある有名な少女漫画に手を出したが、何がなにやらさっぱり分からない。 
 登場人物の顔の見分けがつかない。
 最近はもっぱら「モーニング」(島耕作が載っている雑誌です)等、おじさま向けの漫画ばかり読んでいる。
 
 そんなリアルな現実(夢もリアル)を気力たっぷりに生きていくため、今日は整体に行ってきた。
 数日前に扇風機も購入。
 マイナスイオンが出る代物です。
 これでたっぷり癒されるはず・・・