ユング派心理学
彼ともう一度話し合う覚悟ができた。
彼は対症療法の手段としてユング派心理学を持ち込み、私の深層心理に深く突っ込むという。
なんのことやらさっぱり分からない。
深層心理というと「あなたは森の中を歩いています。最初に出会った動物はなんでしょう」みたいな感じだろうか。
これから「ユング派心理学」を図書館に行って、学んでこようと思う。
ASCの宿題もあるのだが・・・
先日「嫌われ松子の一生」という映画を観た。本も読んだ。
本は大変読みやすく、一度目を通したら止まらなかった。
松子は優秀な教師だったのに、あるつまづきがもとでくびになり、家を出る。
そして、売れない作家に貢いで自殺されたり、トルコ風呂で働いたり、あげくの果て変な男に麻薬を打たれる。
結局、男を殺し、刑務所に行く。美容師になるが、やくざな男に入れ込んでしまったため、再び懲役。
最後はただ家の中で食べて寝るだけの生活。
いつも不潔で「ゴミの日」を守らず、夜中に大声をだしたり、近所迷惑このうえないので「嫌われ松子」と呼ばれる。
54歳で暴行され死体で発見される。
松子さんは教師としても有能だったし、トルコ風呂でもナンバーワンになったり、スーパーのレジ係でも優秀。
美容師としてもすぐに器用さを発揮する。
私のような不器用な人間から見ると、まったくもってうらやましいくらい器用だ。
そんな人がなぜこんな駄目な人生を・・・と思う。選ぶ男も駄目なのばかり。
彼女はあまりにも愛情の受け取り方が不器用なのだ。
父親が体の弱い妹ばかりかばうので、自分は愛されていないと思いこんでいた。
しかし、父の死後に父が自分の帰りを毎日待っていたことを知る。
自分を慕ってすがりつく妹には、冷たい言葉ばかりかけてしまう。
反面、自分に暴力をふるうような男の愛情?を何のためらいもなく信じてしまう。
以前、自暴自棄になってある「誤った行動」を起こしそうになった時、文通をしている友達が
「あなたが自暴自棄になって自分を傷つけたら、あなただけでなくあなたを愛している全てのひとが傷つくんだよ」
と手紙に書いて止めてくれたことがある。
もし、松子さんが本当に自分を見てくれる人の存在に気がついていたら、と思わずにはいられない。
そして、今の自分はどうか。
周囲の人の愛情を感じて生きているだろうか。
そんなことを考えさせる話だった。