観劇の日々

 ここのところ忙しく、なかなかブログが書けませんでした。
 朝早く家を出て、夜遅く帰ってくる日々。
 さすがにちょっとくたくたです。

 さて、その間に観た芝居の感想など書いてみようと思います。

 「炎の人」(三好十郎・作、栗山民也・演出)
 これは、ゴッホの生き様を描いた作品だが、つくづくゴッホはつきあいづらい人だと思った。
 あふれんばかりの絵の才能を使い、絵を怒涛のごとく描き、それはいいのだが、人と会えばミレーがどうだとか議論をしかけ支離滅裂なことをわめき散らす。
 「友達だ」と言ってくれたゴーガンにも見捨てられる始末。
 コミュニケーション能力にかなり問題がある。
 彼の才能は理解されず、絵は一枚も売れない。
 なぜか弟は献身的にゴッホにつくし、お金を送ったりするが、ゴッホは精神不安定で耳を切り、ついに自殺。
 純粋ゆえに狂気。
 そんな生き様がよく描かれていた。
 ただ全体的に重く、疲れを感じた。

 3時間近くあったのか上演時間がものすごく長かった。
 第二幕は、録音された「語り」が結構な時間をしめ、ちょっと肩透かしだった。
 
 
 「ゼブラ」(作、演出・田村孝裕)
 モチーフが向田邦子さんの「阿修羅のごとく」ということだが、かなり違う作品に見えた。
 確かに同じく4姉妹を扱っているが、時代も違うせいだろうか。
 細部にわたって「これでもか」、と笑わせる心意気を感じたが、「ああ、姉妹だな」と感じられる場面は少なかったように思う。
 「阿修羅のごとく」は映画のビデオを観たが、いいなと思ったのは姉妹がそれぞれ問題を抱えながらも一緒に漬物を漬けたり、料理など共同作業をする場面。
 映画やドラマだとなんでもない場面をたっぷり描けるが、芝居だとなかなかそうはいかないものなのだろうか。
 次から次へと何かが起こらないと進まないような印象を受けた。
 
  
 シアタークリエ(劇場)は初めて行ったが、そこそこ観客が入る(611席)のに広さを感じさせないいい劇場だと思った。
 間近で舞台を観ているような親近感があった。