ヒーローは無理ですか!!!

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 ひょんなことから、この漫画を知った。
 「マラソンマン」、まだ途中までしか読んでいないが、感動的なコミックだ。
 昔は才能あふれるマラソンランナーだった男が主人公、今は飲んだくれて駄目な人生を送っている。
 しかし、小学生の息子の叱咤と応援で再びマラソンへの道を目指す。
 いずれ、息子もマラソンの道へと進みそうな展開だ。


 途中、マラソンの豆知識も豊富に挿入されており興味深い。
 走ることに興味のない人でもちょっと走ってみたくなるのではないか。
 
 中でも興味深かったのは実業団の長距離選手のほとんどが、小学生の頃の体育の成績は普通くらいだった、というものだ。
 いわゆる、「運動神経の良い子」というものからは縁遠いものだった、ということだ。


 小学校の頃はどうしても短距離の得意な子が目立ち、運動会などで活躍する。
 短距離と長距離の使う筋肉の違いから、それぞれの得意分野が分かれるらしい。

 
 マラソンは人並の運動神経があればできる、という。
 
 
 私の場合人並以下だが、確かに学校時代のマラソンの結果は決して悪いものではなかった。
 マラソンは練習すれば結果が目に見えて分かる。
 タイムや時速などが数字で表される。
 今日も記録更新だ。
 素晴らしい。
 


 しかし、芝居はどうだろう。
 今日の演技は昨日よりタイムが良くなった、なんてことは分らない。
 「ヴェニスの商人」のオーディションはひどかった、ようだ。
 ようだ、というのは自分では素晴らしいできだと思っていたからだ。
 私は、ビデオで観たバッサーニオの藤原竜也さんの演技が素晴らしいと思い、完全になりきっていた。
 つもりだった。


 しかし、後から冷静に考えてみたら、自分と藤原竜也さんとの共通項はほとんど何もない。
 どうして、こう自分よりもほど遠い存在の人を真似しようとするのだろうか。
 どうやら、私には、ひそかなヒーロー、ヒロイン願望があるようだ。
 今の自分とはあまりにもかけ離れているため、どうがんばってもそのような役は演じることができない。
 なあんてことはちょっと考えれば分るのだが・・・ 
 どうして、こう自分を見失ってしまうのか・・・
 では、何ならなれるのか????
 

 主人公は自分が作るものではなく、周りの人が作るものだという。
 つまり、周りの人が「ははあ」とその人を敬うから、その人が王様に見えるのだ。
 ということは、自分探しをして、自分の内面を見つめるよりも、周りの人のふるまいで自分が何の役なのかが分かるのか?

  
 ああ、それにしても芝居の上達レベルの分かる機械が欲しいなあ。