いやらしい女たち
劇団アルターエゴの「ベルナルダ・アルバの家」を観る。
母と五人の娘たちの物語だ。
暴君のように君臨し、娘たちをがんじがらめに家に縛り付ける母。
自由を求めながらも、結局は母の支配下に置かれている娘たち。
しかし、長女に結婚話が持ち上がったことから、家の均衡が徐々に崩れ始め悲劇へと向かう。
この話は2年前、小川眞由美さんの主演で観たことがある。(余談だがチケットプレゼントで当たった)
女同士ならではの、隔離された場所でのどろどろした関係に圧倒された。
今回は、この女同士の関係を登場人物全員が男で演じられた。
この試みがものすごく面白かった。
なんたって、女の嫌な部分は男のほうがよく知っている。
いやらしい、ねちっこい嫉妬、いがみあい、そんな関係は、より客観的に見ることができる男のほうが分かるに決まっている。
特に四女のマルティリオと五女のアデーラのきれいで実にいやらしいこと。
良かった!
それだけに、白いセットのつぎはぎが目立つところなど細かい部分のつめの荒さが残念だった。
ベルナルダの母、ホセファの扱い方ももう少していねいにしてほしかった。