佐渡裕氏に会う

 妹の出身校である堀川高校が100周年をむかえる。
 今日はその記念コンサートが京都コンサートホール(北山)で行われた。
 その記念コンサートで、あのバーンスタインの最後の弟子、佐渡裕氏が指揮をするというのだ。
 彼も堀川高校出身なのだ。

 
 氏のファンである妹がそのために、何年ぶりかで波照間島から帰ってきた。
 次に帰ってくるのは私の結婚式か・・・
 そうなると、もう今生の別れとなる可能性も高い。
 前日、前々日にかけて、妹の誕生日をにぎにぎしく祝った。


 コンサートは実に盛大なものだった。
 1800人のホールが満席。 
 関係者に先着順でチケットが発売されたという。
 私も何ヶ月も前に妹に聞かれた。(まったく予定が不明だったがとりあえずOKした。)
 漏れた人もたくさんいるに違いない。

 
 同窓会長はあの着物で有名な服飾評論家の市田ひろみさん。
 現校長の荒瀬克己氏は、NHKの「プロフェッショナル」でも紹介されたことがあるという。
 100年を振り返っての紹介を行ったのは俳優の譲晴彦さん。
 東京の舞台で幾度も拝見したが、まさか、こんなところでお会いするとは・・・
 なんと、歴代の教職員の名前をただただ延々と読み上げるという、実に味わい深い紹介だった。

 
 無論、コンサートは大成功。
 佐渡さんのダイナミックな指揮。
 ドラマチックな演奏は超満員の観客を魅了した。

 フルート奏者の吉岡アカリ氏とともに、佐渡さん自身もフルートを演奏。
 もともとフルート志望だったらしい。
 後輩の吉岡さんがあまりにもフルートがうまかったので、佐渡さんはフルートをあきらめたのだという。
 「吉岡君がいなかったら、僕はフルート奏者になっていたかもしれない」
 という氏の言葉が印象的だった。
 指揮者になる決断ができたのも、吉岡さんがいたからこそ。
 人生って本当に分らない。
 そのとき、絶望したことがかえっていい結果を生んだりする。


 昔、佐渡さんの書かれた著書を読んだことがあるが、佐渡さんは人生において迷ったとき必ずいいほうへ導く「声」が聞こえるようになったとのこと。
 こう書くとあやしげな宗教のようだが、佐渡さんの持つ大きなオーラを見ているとなんだかそんな話も納得させられる。
 帰りしに偶然、本当に間近で佐渡さんとすれ違った。
 大柄な堂々とした方でした。
 感激です。