でぶはそんなに卑しいのか
先日「ヘアスプレー」というミュージカル映画を観る。
太っちょの女の子が世界を変えようとする物語。
60年代のアメリカ。いまだ、黒人差別の根強いアメリカの地域で、持ち前の明るさとダンスで主人公の少女は「違いを認める」ことを主張。
黒人と白人が一緒に踊ることを認めるよう、訴える。
深刻な問題を扱ってはいるが、重くなる部分はほとんどなくひたすら明るくハッピーに映画は進行していく。
そこがちょっと物足りなかったり・・・
しかし、それにしてもみんなダンスがうまい。
「がんばって練習しました」感が何ひとつない。
踊るの大好き、生まれたときから踊ってます、という軽やかさ。
「コーラスライン」など観ているとおそらく裏ではなかなか大変な思いをされているのは察するが、この軽やかさはいいなあ。
母親役をジョン・トラヴォルタ氏が演じているのが、この映画のひとつの売りのようだが、やっぱりこの役は女優さんで観たかった。
自分の太めの体系を気にして外に出られなった彼女が娘の励ましで一歩踏み出す場面や、娘に対する母性、夫に対する愛情、等、女性だからこそ表現できる感覚や場面、見せ場がたくさんある。
母性あふれる経験豊かな女優さんが演じたほうがいい。
それにしても、いまだに「太め」の体型からの偏見からは何ひとつ解放されていないこの社会には愕然とする。
確かに病気になるほどの肥満はよくない。
節制と自己管理が必要だ。
しかし、健康に害はなくとも生まれつきとても太りやすい、人と同じだけ食べても倍太るという体質は存在する。
皆が主人公のように、今の自分を認め、特技を生かしてハッピーに生きられたら、と自分も含めて切に願う。