ぬるぬると

 芝居には「ここで見る」とか「ここで動ける」とかいう瞬間があり、きっかけをはずしたり、動くか動かないか分からないようなぬるっとした動きをすると、観ているほうはなんだかよく分からないことになってしまう。
 小さいころやっていた大縄跳びを思い出す。
 なかなか入れなったなあ・・・
 大縄跳びはきっかけが分からずに、行き当たりばったりで思い切って入って、よく縄が体に当たり痛い思いをしていた。
 だから、余計怖くなってなかなか入れなかった。
 芝居も思い切って飛び込まないと。
 たとえ、どれほど痛い思いをしようと・・・

 
 しかし、「ぬるっとした」という表現はなんだか面白い。
 ぬるっとした文章とはどんな文章か。

 ああ、ちゃんと芝居ができるかなあ、
 でも、やるしかないなあ、でもなあ、
 今日もちゃんと起きられなかったしなあ、
 朝ごはん食べられなかったなあ、でも、雨降らなくて良かったなあ・・・

 みたいな感じか。
 結局、何が言いたいのかよく分からない。
 なんか、文章ならありのような気もする。