ほめられたけど・・・
えらい彩乃木先生がほめてくださり(http//d.hatena.ne.jp/ayanogi/20070412)うれしい気持ちはあるが正直戸惑っている。
何しろ、「よし、いい作品を書いた、後は役者しだいだ」
なんて実感なんか一個もありゃしない。
もう、不安で不安でいっぱいなのだ。
(これは独り言だが、私の演技は一個もほめてくださらない。
なんかどう考えても芝居のほうがたくさん勉強していると思うのだが・・・)
私は台本を書いた。
そして、それを幾度も書き直し、さらにプロの劇作家、大和屋かほるさんに講評をいただくという幸運にあずかっている。
(これも独り言だが、私の演技を是非、他のプロの方にも見てもらって・・・なんて言われたことがない。
なぜだろう)
しかし、書き直しても書き直してもなかなか納得できない。
「もう書き直さなくてもいいという日はくるのだろうか?」
そんな疑問を彩乃木先生に投げかけたことがある。
「そんな日は、幕が開いても来ないよ」
台本を書いたり、書き直したりするのは時間がかかる。
しかし、時間があるからといってできるものではない。
アイデアが生まれないときは作業がストップする。
不安な時間だけが過ぎていく。
100個作れば終了・・・とかいうものではない。
いや、どんな仕事でも作業でも本当は「ここで終わり」なんていうものはないのかもしれない。
大和屋かほるさんからいただいた講評は、確かに愛情あふれる素晴らしいものだった。
本当に真剣に読んでくださったのだいうことが伝わるうれしいものだった。
しかし、同時にこんなことが私にクリアできるのかというような難題もつきつけられた。
「会話の底が浅い・・・共感できる人物が書けていない・・・」
ロルカの「ベルナルダ・アルバの家」を読むように・・・
ロルカ?ロルカ!ロルカ!!!
「ベルナルダ・アルバの家」は上演を観たことがある。
どろどろした女性の心理が描かれたすごい作品だ。
ロルカの世界と自分の作品を比べるなんて・・・
しかし、戯曲を発表するというのはそういうことだろう。
ものすごい作品と比べられても文句はいえない。
「はじめて書いたんです」
なんて通用しない。
よく「ひとごと」のときは「小劇場のオリジナル台本で面白い作品なんて観たことないわ」などと偉そうなことを言っていた。
自分たちだけの世界に走ってしまい客観性を失ってしまう傾向がある。
難しいものだ。
それを自分がやる?やる!やる!!!
さらに演出だと?
いや、いくらトレヴァー・ナン氏の舞台を観て来たからって・・・
しかし、自分で台本を書いて自分で演出するなんて、芝居を志す人間なら・・・。
こんなものすごい幸運がめぐってきたのだからもうやるしかない。
さらに自分が主演もするのなら言うことはないのだけど・・・
幸いにもというかなんというか「当て書き」をしたので当たり前だが、ASCに「この役をやるならこの人しかいない」という人が集まっている。
立ち会えなかったので、メンバーが読んだせりふを録音されたものを聞く。
自分が書いたのを人が読むのは変な感じだ。
「やはり、言いにくい台詞を書いたのかしら・・・」
と反省したり・・・
イメージ通りにやってもらって、拍手したり・・・
とにかく、たくさん書き直さなければならないんだけど・・・
「オセロー」の稽古が始まる!
いけない、もっと読まなきゃ・・・
ああん・・・時間と体力がほしい。