今宵、フィッツジェラルド劇場で
先日、「今宵、フィッツジェラルド劇場で」という映画を観にいく。
最後のライブラジオショウの出演者、スタッフ等の悲喜こもごもを描いた作品。
自称探偵や天使?!もからんでもりだくたんなストーリー。
監督はロバート・アルトマン。出演者はメリル・ストリープ、リリー・トムリン、ケヴィン・クライン、トミー・リー・ジョンソン
等これも贅沢。
しかし、なかでもすごかったのは、番組ホスト役のギャリソン・キーラー氏。映画は初出演で、実際にラジオ番組の司会をやっているそうだ。
しかも、映画の脚本も担当している。
この人の司会ぶりの巧みなことはもちろん、歌も歌い、他の出演者のコーラスにもさりげなく入ったり等、どこまでできるんだろう、と思わせる多才ぶり。
声もいい。
この人を観ているだけで、もうほれぼれしてしまった。
それにしても、出演者の歌がとてもいい。
懐かしい気持ちになるカントリーソングばかり。
それを「さあ、歌うぞ!」という気迫などまったくなく、実にさりげなく楽しそうに歌っている。
それも上手い。
音楽というものを心から楽しんでいる様子が気持ちいい。
伴奏の楽団も実に気持ちよさそう。
音楽をやるときは是非とも、こうありたい。
かつて成功をつかみそこねた落ち目の歌手ジョンソン姉妹(メリル・ストリープ、リリー・トムリン)や下品な歌を好んで歌うカウボーイ(ウディ・ハレルソン、ジョン・C・ライリー)等、愛すべきキャラクターがたくさん出てくる。
皆、一様に明るく、気さく。
出演者が多く最初はなかなか入っていきづらい。
天使とか探偵とか出てくるわりには・・・あらら・・・という終わり方だが・・・
しかし、歌に魅せられ気持ちよくなる作品だった。