夏休みの思い出・・・乙女チックな旅
今さらながら、夏休みの思い出。
彼氏と・・・ではなく女友達と4人で熱海に行く。
熱海といえば、温泉。これは日ごろの疲れを癒し、ゆっくりできて気分転換になるとふんでいた。
しかし、それはとんでもない思い違いであったことを知る。
まず、熱海の名所を巡ってくれる観光バスに乗る。
そして、よく調べもせず「伊豆山神社」へ。
伊豆に流されていた源頼朝が源氏再興を祈願した神社だという。
頂上が見えないような石段がそびえている。
「せっかく来たんだから、ねえ」
4人の顔はなんなくひきつっていたが、誰一人「やめよう」と言い出せずに登り始める。
暑い盛り、汗がだらだら・・・
そもそも保養目的だったのに・・・
頂上に着いて、お参りをすます。
そして、おみくじを引く。
「小吉」と書かれていた。
私らしい結果だ。
「楽しい春は過ぎ、これからつらい冬に向かうでしょう。でも、がんばっていればきっといいことあるよ」
なんかそんな内容だった。
暑いので長居したくない。
ちょうどお昼時だったので、お腹もすいている。
弾丸のような速さで石段を降りる4人。
しかし、30分に1本しかないバスが来るのは20分後だった・・・
後で、観光ガイドの人に聞くと石段を登らなくても良い楽なコースがすぐ側にあったらしい。
4人の目には、まったく見えていなかった。
「しかし、苦労して登ってお参りしたほうが良い男性が現れますよ。楽なコースに行った人には、それなりの人しか現れません」
と、ガイドさん談。
そういう神社だったのか!?
今は忙しいから、そんなのいらないよ。
別に、楽なコースで良かったのでは?!
そうだ、私の人生もきっとそうだ。
もっと、楽な道があるのに全然見えてなくて・・・余計な苦労ばかりして。
いかん、マイナス思考だ。
期せずして「素敵な男性」が現れるような人生を祈願したのだ。
こんなラッキーなことはない。
その後、ローズガーデンに行く。
私の勝手なローズガーデンのイメージは、薔薇の花が咲き乱れ少女まんがのような乙女チックな世界・・・
しかし、薔薇の季節は6月。
とおに過ぎている。
やたら、野性的な草が生えていて、しかも坂道(登り)だらけ。
再び、呼吸が荒くなる。
「薔薇はどこ、薔薇はどこ」
気がつくとうわごとのようにそんな言葉をつぶやいていた。
地図をもらったとき、「プロポーズガーデン」なる庭があることを発見し楽しみにしていた。
妄想世界が広がる。
薔薇の咲き乱れる白亜の東屋。
夕日の中で(ちょうど夕方だったので)、王子様みたいな人がプロポーズを・・・
「約束の鐘」(そんなのもある)がリンゴーンと美しい音色を奏でる。
その道はそのまま、結婚式場につながっている。
本当に結婚式もできるらしい。
友達が、「そんなところでプロポーズされたら断るに断れないよねえ」と言って、現実に引き戻す。
確かに。
しかし、しつこいようだが、薔薇の季節はもはや過ぎ去っている。
やはり野性的な草の中に東屋らしきものが・・・
白亜とは言い難い「冒険」を感じさせる建築物だ。
ふいに悲しい気分に襲われる。
盛りを過ぎたローズガーデン・・・
それは、自分?
よくよく探すとようやく、薔薇らしき花が申し訳けなさそうに咲いている。
そして、それを目当ての虫もいたりして・・・
生命力の強い虫がきっと盛りを過ぎても寄ってきてくれる。
そして、私たちのような酔狂な観光客も、ものすごく数は少ないが(実際客は私たち以外には数える程度)きてくれて・・・
ああ、この「ローズガーデン」は今の自分なのだ。
ところどころある「ぼけ防止のいす」とやらが、やたらリアルな現実を映し出していた。
いや、でもなんだかんだいって友達と一生懸命薔薇を探しながら楽しめた。
たとえ、盛りを過ぎても見る人を楽しませることはできるのだ。
そう、季節を過ぎても・・・
いかんいかんすごくマイナス思考だ。
季節外れでも咲くことができるたのだ。
誇りを持って薔薇として咲き乱れ、その生をまっとうしよう。
え?肝心の温泉?
夜は露天風呂が混雑していたので、友達らは朝の5時!に起きて入りに行ったよ。
元気だね。
私は寝てたけど・・・
駄目駄目だ・・・