幸せのポートレート

 決して悪い人ではない。
 仕事も成功していて、恋人もいる。
 頭もいいし、スタイルも抜群。
 なのに、なぜかうっとおしがられ、嫌われてしまう。

 ああ、いるいるそういう女。


 この映画を観た後で、そういう呑気な感想を言える女性は何人いるだろうか。
 誰しも少なからず主人公の女性を見て、思い当たるところがあり、蒼ざめるのではないか。



 映画「幸せのポートレート」の主人公メレディスはそんな女性だ。
 クリスマス(季節外れ!)に恋人の実家に行く、メレディス
 しかし、家族は彼女を歓迎しなかった。 

 彼女の神経質な咳払い、一生懸命なのにそれが裏目裏目に出る行動、
 そんなつもりないのに、話せば話すほど他人を傷つけてしまう言動・・・
 
 彼女の一挙一動、何もかもが家族の感に触り疎まれる。
 メレディスは何とか家族に溶け込もうと料理の準備をするが・・・
 
 本当に一生懸命さが見えるだけに、メレディスの行動が痛々しい。
 自分もそうなのではないかと、随所に感じ、幾度も映画から目を背けたくなる。
 
 でも、でもね、本当に頑張っていたら、やっぱりちゃんと見ていてくれる人がいるわけですよ。
 それでね、あきらめなければ、いつかみんな分かってくれるわけですよ。
 それが、ファンタジーだと分かっていてもやっぱりそれを信じたい。
 いや、信じることができる。
 そんな映画です。

 不器用さんに乾杯!
 
 主人公のメレディス役はあの「セックス・アンド・ザ・シティ」のジェシカ・パーカー。
 キャリアウーマン然としている容姿なのに声がとてもキュート!
 吹き替えだと気づかなかったけど。
 そのアンバランスさがまた魅力です。