昨日青年座の「蛇」という劇を観にいった。
 
 ぺたぺたと降り続く雨の中、商店街の一角にある小さな精肉屋の家族が舞台だ。
 古いどこにでもある民家の台所と居間のセット。
 全体的に薄暗くどんよりとした空気が流れている。
 
 妹の美紀が映画監督志望の青年を「結婚したい」と連れてくるところから始まる。
 母、伸子は「普通の幸せをつかんで欲しい」と許さない。
 
 しかし、やまない雨の中、家族の歪みが浮き彫りになっていく。
 6年間も引きこもりの姉。腫れ物に触るように扱う家族。
 寝たきりの祖母。
 人のいいおとなしい夫、春彦。
 実は店は借金だらけだ。
 伸子は毎週、知り合いの佐々木さんとお茶会をしている。
 しかし、かげで佐々木さんの夫と浮気している。
 なぜか近所の犬が次々と殺されていく。

 あるとき美紀が叫ぶ。
「馬鹿じゃないの!偽ってるだけじゃないの!普通の幸せとか言って!嘘ばっかつかないでよ!」

 最後に夫の春彦がつぶやく。
「嘘ぱっちでいいじゃない」
「嘘ぱっちだっていいじゃない」
 そのつぶやきがなんとも哀しい。

 登場人物たちは、何かをごまかそうと懸命にしゃべり続ける。
 人の話をまったく聞かず、周りの空気も読まない。
 そのことが舞台の不気味さを増している。

 なんともやりきれない話だった。
 何かが解決されるような気配もない。
 しかし、なぜか涙が溢れて止まらなかった。
 
 偽っても偽りきれない感情に心を揺さぶられたのかもしれない。

 
 
 パソコンのエンターキーが壊れている。
 修理に出したいがその間ブログはどうすればいいか。
 掃除機もコードを入れても動かなかった。
 ラジカセも音が出ない。
 エアコンのリモコンが電池を変えても動かない。
 何もかもが壊れてきた。
 
 外は蒸し暑い。