「ナース・コール」なんだか惜しい
http://d.hatena.ne.jp/katsukin/20070718の勝木さんの日記にもあるように、
先日、パフォーミング・アート・センター公演「ナース・コール」を観る。
失敗ばかりだが明るくめげない看護師うららを中心に病院を舞台に様々な物語が繰り広げられる。
医師と看護師の対立や、看護師学校の厳しい教師の入院など、正直どこかで見たことがあるようなエピソードが次々と出てくる。
だが、患者の中から未知のウイルスが発見されたところから緊迫感が増す。
医療従事者は宇宙服のような防護服を着用し、命がけでウイルスと戦う。
様々な未知のウイルスが氾濫し、それがいつ自分の身に降りかかるか分からない現代、彼らがどう立ち向かうのか、大変興味深く見られた。
ただ、惜しいところでいつも緊迫感がそがれる。
これはやはり転換の多さが原因ではないか。
それこそ5分もないような場面ですぐに暗転、音楽、転換となるのは観客の集中力が続かない。
これなら、テレビドラマにしてしまったほうがいいのではないかと思われた。
また、本編にあまり関係ないヤクザの患者が暴れまわったりと楽しい作りだが、非常にもどかしさを覚える。
読んでいないのでなんともいえないが、原作が持っているであろう現代医療における深刻な問題点、また登場人物たちの抱える医療に携わる者特有の悩みなどの「深み」に到達できていない感を覚えた。
描かれていることは大きいのに「軽いストーリー」のように感じてしまった。
深刻な場面と笑いの場面、それぞれの描かれ方がいまひとつ明確でないせいだろうか。
そこに生きている「人間」が描ききれていないせいだろうか。
登場人物が、ある類型化した「キャラクター」のように見えてしまうところが多々あった。
なんだか勿体無い。
また非常に長く感じられた。
いくつかのエピソードの積み重ねなので、終わったかと思ったらまだ続くの繰り返し。
2時間10分を休憩なしにした意図がいまひとつ分からない。
面白くなりそうなところで・・・ううん・・・と思ってしまう。
なんだか「惜しい」公演だった。
さて、今日は子供のためのシェイクスピアカンパニー「夏の夜の夢」を観た。
明日はわれらが阪口姉さんの出演中の双の会の公演。
重なるときは本当に重なるものだ。
同時に自主公演「アンダンテ」の稽古も入り、もう、火がついて燃えてしまいそう。
灰になっても休めない。
徐々に舞台の感想も・・・
明日は夜明けよりも早く起きねばならない。
おやすみなさい。